JP × KR Market Notes レイチェルの日韓マーケットノート
週刊レポート

【週刊】円で比べると、日本製鉄と東京エレクトロンが韓国の相手を逆転(10/27〜30)

この記事は、1週間の日韓マーケットをまとめ、前回の注目ポイントを答え合わせする週刊レポートです。2026年11月2日に公開した記事を、日本の投資家の視点で書き直しました(2026年11月7日)。

対象は10月27日〜30日の4日間(日韓共通の取引日)です。今週は、韓国株の騰落率を円に換算して、東京エレクトロン・アドバンテスト・トヨタ自動車・日本製鉄と同じ物差しで比べました。韓国のニュースに出るウォン建ての騰落率をそのまま自分の銘柄と比べると、順番を逆に読んでしまう組がありました。比べられる日はごくわずかなので、結論ではなく方向の確認としてお読みください。

今週のまとめ:

  • 東京エレクトロンは4日間で+1.3%でした。顧客のサムスン電子はウォン建てなら+1.4%でわずかに上ですが、円に直すと+0.4%で、東京エレクトロンのほうが上でした。アドバンテスト(+3.0%)はどちらで見てもサムスン電子より上、SKハイニックス(円で+4.8%)よりは下でした。
  • 日本製鉄は-1.1%でした。POSCOホールディングスはウォン建てなら-0.9%で日本製鉄より下げが小さく見えますが、円に直すと-1.8%で、日本製鉄のほうが0.7%ポイント下げが小さい結果でした。
  • KOSPIが-3.5%だった10月30日、日本株はTOPIX比で、装置株が4〜5%ポイント弱く、日本製鉄・トヨタ自動車は0.5〜0.7%ポイント強い結果でした。

今週なにが起きたか

世界:米国の半導体株指数は10月30日(米国時間)に-7.2%

フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、10月29日の11,518.20から30日(いずれも米国時間の終値)は10,688.80になり、-7.2%でした。東京・ソウルの10月30日の取引が終わった後の米国市場の値です。日韓がそろってこの後に取引する最初の日は11月2日です。

金利:日銀は1.25%で据え置き

日銀は10月30日、政策金利を1.25%に据え置くと決めました(NHK)。発表の時刻はこのブログの記録にないため、同じ日の日本株の動きとの関係は判断していません。韓国銀行(韓国の中央銀行)の政策金利は3.00%(10月22日時点)です。

半導体:東京エレクトロン・アドバンテストと、顧客の韓国メモリ株

半導体:東京エレクトロン・アドバンテストと、顧客の韓国メモリ株

出所:株探、Daum金融(韓国株は正規取引終値、円/ウォンはハナ銀行のその日の最後の告示)、2026年10月30日終値時点

日ごとには、10月28日は日韓とも上げて韓国側の上げ幅が2倍以上(サムスン電子+9.0%、SKハイニックス+10.9%)、10月29日は韓国側が2つに分かれ(SKハイニックス+2.6%、サムスン電子-4.1%)、30日は日韓とも大きく下げました。

東京エレクトロン・アドバンテストから見ると、4日間を円にそろえたとき、顧客のサムスン電子は両社を下回り、SKハイニックスは両社を上回りました。東京エレクトロンとサムスン電子の順番は、ウォン建てのままでは逆に見えます。

鉄鋼・自動車:トヨタ自動車・日本製鉄と韓国の同業

円/ウォンは10月27日の100円=839.95ウォンから、30日は100円=847.59ウォン(ハナ銀行のその日の最後の告示)になりました。数字が大きいほど円高・ウォン安で、4日間で+0.91%です。※初回公開時は10月30日の値を847.88ウォン(その日の途中の告示)としていましたが、最後の告示は847.59ウォンでした。本記事はこの値で計算し直しています。

4日間の差(日本株−韓国株)は次のとおりです。

組日本株(円)韓国株(ウォン建て)韓国株(円換算)差:そのまま差:円で比べる
自動車:トヨタ自動車 − 現代自動車(005380、韓国)-1.0%-2.9%-3.8%+1.9%ポイント+2.8%ポイント
鉄鋼:日本製鉄 − POSCOホールディングス(005490、韓国)-1.1%-0.9%-1.8%-0.2%ポイント+0.7%ポイント

トヨタ自動車は、円で比べても現代自動車より下げが小さく、差が広がるだけです。日本製鉄は違います。韓国のニュースで「POSCOホールディングス-0.9%」というウォン建ての数字を見ると、日本製鉄(-1.1%)のほうが弱かったように見えます。ただ、この4日間は円高・ウォン安が0.91%進んだため、円に直したPOSCOホールディングスは-1.8%です。円で資産を見ている日本の投資家から見れば、日本製鉄のほうが下げが小さい週でした。

日本の投資家が今週、韓国市場から読み取れること

韓国の銘柄ウォン建て円換算比べる日本株(円)
SKハイニックス(000660、韓国)+5.7%+4.8%アドバンテスト +3.0%、東京エレクトロン +1.3%
サムスン電子(005930、韓国)+1.4%+0.4%同上
POSCOホールディングス(005490、韓国)-0.9%-1.8%日本製鉄 -1.1%
現代自動車(005380、韓国)-2.9%-3.8%トヨタ自動車 -1.0%

10月27日→30日。円換算=(1+ウォン建ての騰落率)÷(1+円/ウォンの変化率)−1。円/ウォンの告示と株の終値は時刻が違うため、円換算は目安です。KOSPI・TOPIXは10月27日の値がなく、4日間の数字は出していません。

日本の投資家が今週、韓国市場から読み取れること

出所:株探、Daum金融(韓国株は正規取引終値)、2026年10月30日終値時点

10月30日はKOSPIが-3.48%、TOPIXが-0.95%でした。この日、東京エレクトロン(-5.2%)・アドバンテスト(-5.9%)はTOPIXよりそれぞれ4.24、4.91%ポイント大きく下げ、日本製鉄(-0.4%)・トヨタ自動車(-0.2%)は0.54、0.73%ポイント下げが小さい結果でした。韓国では同じ日にKOSPIの急落と外国人投資家の大幅な売り越しが報じられていますが(Businesskorea)、日本株の動きとの関係は判断していません。

日韓を一緒に見ると分かること

  1. ウォン建てのニュースのままでは、自分の銘柄の位置を逆に読むことがある:日本製鉄はPOSCOホールディングスに、東京エレクトロンは顧客のサムスン電子に、ウォン建てでは負けて見え、円では上回っていました。アドバンテストとトヨタ自動車は、どちらで見ても順番は同じでした。円/ウォンが動いた週は、韓国株を円に直してから自分の銘柄と並べる必要があります。
  2. KOSPIの急落日、日本株は業種で分かれた:10月30日、TOPIX比では装置株が弱く、日本製鉄・トヨタ自動車は強い結果でした。日本株の中だけでも、半導体と輸出株で同じ日の動きの大きさが違っていました。

先週の答え合わせ

初回のため、このブログとして先週挙げた注目ポイントはありません。分析ノート側で挙げていた確認項目3つは、比べられるデータや記録がなく、すべて「採点できない」でした(当時の記録のままです)。

確認項目結果判定
KOSPIを差し引いても、10/28の韓国優位・10/29の日本優位が残るか10/28・10/29のKOSPIデータがなかった(採点当時)採点できない
円高・ウォン安の日に、韓国の鉄鋼・自動車が相対的に強い傾向が続くか10/30は円高・ウォン安の日ではなかった採点できない
現代自動車・POSCOの6月末・7月末の急落の理由関連する記事の記録がない採点できない(持ち越し)

このブログの記録の仕組みはその後(2026年11月3日)見直し、11月2日の取引日からは3つの関係(円/ウォンとトヨタ自動車・日本製鉄、日本の装置株と翌取引日の韓国メモリ株、米SOXの急変と日韓の反応の差)を毎日採点しています。

来週の注目ポイント

  • 11月3日(火)は日本だけ休場:文化の日で日本は休場、韓国は取引があります(日本取引所グループ)。11月4日の東京エレクトロンやトヨタ自動車の騰落率は11月2日終値との比較で、韓国では3日と4日の2日分にあたります。11月2日〜6日の週の日韓共通の取引日は、11月2日・4日・5日・6日の4日です。
  • 自分の装置株と、顧客の株価:米SOXの急落後、日韓がそろって取引する最初の日が11月2日(月)です。東京エレクトロン・アドバンテストと、顧客のサムスン電子・SKハイニックスの反応の大きさを並べます。10月27日〜30日に上がった日本の装置株に、翌週の韓国メモリ株が続くかも確かめますが、米半導体株の急落と重なるため見分けにくい週です。
  • 円高の日、トヨタ自動車・日本製鉄は韓国の同業より弱くなるか:TOPIXとKOSPIのデータがそろい始め、市場全体と比べた差(日本株−韓国株)を記録できるようになります。円/ウォンが大きく動いた日に、この差がどちらに出るかを見ます。

用語解説

  • KOSPI(韓国総合株価指数):韓国の代表的な株価指数です。
  • 正規取引終値:韓国株は正規の取引時間の終値を使い、ネクストレード(NXT、韓国の代替取引所)の時間外取引の価格は使っていません。
  • 日韓共通の取引日:日韓の市場がともに開いていた日です。休場日が違うため、この日だけで比べます。
  • 円/ウォン(100円=○ウォン):数字が大きいほど円高・ウォン安です。
  • 円換算:韓国株のウォン建ての騰落率を、同じ期間の円/ウォンの変化で円建てに直した値です。円高・ウォン安の期間は、ウォン建てより低くなります。
  • 差(日本株−韓国株):日本株の騰落率から韓国の同業の騰落率を引いた値です。プラスなら日本株のほうが強かったことを示します。
  • 装置株・メモリ株:本記事では、東京エレクトロンとアドバンテストを「装置株」、サムスン電子とSKハイニックスを「メモリ株」と呼んでいます。

出所


筆者の保有:なし

本記事は個人が公開データをもとにまとめた分析記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。データ基準日:2026年10月30日。